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【感想】「書斎の死体」-ミステリーの定番にあえて挑む意欲作

3.0
書斎の死体 アガサ・クリスティー

概要とあらすじ

1942年のミス・マープル長編12作中2作目です。前作の「牧師館の殺人」から約12年ぶりの長編となっています。

「まえがき」があり、そこで今作の執筆エピソードを明かしています。「書斎の死体」という当時のミステリーに定番の、いわば使い古されたテーマを、いかに斬新で面白いものにするかという、挑戦的な作品だということを語っています。

あらすじ

静かな村セント・メアリ・ミードのバントリー邸で、早朝、思いもよらない騒ぎが起こる。
書斎のカーペットの上に、見知らぬ若い女性の遺体が横たわっていたのだ。

バントリー夫妻はもちろん、村中の誰もその女性を知らない。彼女はいったい誰なのか? そしてなぜそんなところで死んでいるのか?

事件はすぐに村の噂話の中心となり、バントリー夫人は親友であるミス・マープルに助けを求める。マープルは、村人たちの“人間観察”で培った洞察力を武器に、事件の裏に潜む思惑を静かに読み解いていきます。

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個人的評価

登場人物

  • ジェーン・マープル(独身の老婦人)
  • アーサー・バンドリー(地方行政長官)
  • ドリー・バンドリー(アーサーの妻)
  • コンウェイ・ジェファーソン(富豪)
  • アダレイド・ジェファーソン(コンウェイの義理の娘)
  • ピーター・カーモディ(アダレイドの息子)
  • ヒューゴー・マックリーン(アダレイドの恋人)
  • マーク・ガスケル(コンウェイの義理の息子)
  • ジョジー(ダンサー)
  • ルビー・キーン(ダンサー・ジョジーのいとこ)
  • レイモンド・スター(ダンサー・テニス教師)
  • ベイジル・ブレイク(撮影所の大道具係)
  • パメラ・リーヴス(ガール・ガイド団員)
  • ヘンリー・クリザリング卿(元警視総監)
  • メルチェット大佐(ラドフォードシャ州警察の本部長)
  • スラック(メルチェットの部下)
  • ハーパー(グレンシャ州警察の警視)

みどころ

第一章のバンドリー夫人の描写が面白い。

少しとぼけた感じの、かわいらしいおばさんという印象。そんなバンドリー夫人とマープルがタッグを組んで、容疑者たちが集まるマジェスティック・ホテルに乗り込み… という展開を期待させられます。

不満点

ですが、実際捜査を行うのはメルチェット大佐で、マープルとバンドリー夫人の活躍はあまり見られないんですね。

さらにコンウェイ・ジェファーソンがヘンリー・クリザリング卿を呼び寄せて、彼もいろいろ調べるのですが、それって必要なんでしょうかね。全部マープルにやらせればいいじゃないかと思いました。

結果マープルは、最後の方にちょこちょこっと出てきて解決します。そしてバンドリー夫人は、あまりその解決にかかわっていません。とてもいいキャラなので、ちょっともったいないんじゃないかなぁ、と思いました。

トリックについて

トリックはわかりやすいです。ヒントがわかりやすく出されていました。むしろあからさまな感じも受けます。いつものクリスティはもう少しうまく隠していたのではないかと思います。ちょっと今回は稚拙な感じがします。

ある事象において、利益を受ける立場と損をする立場がありますが、それがある条件でガラッとひっくり返るというのはなかなか面白かったです。ですが、そのパターンはほかの作品でもありますよね。

感想

純粋に推理パズルとして楽しむべき作品なのではないかと思います。私は死体の謎は解けましたが、なぜそんなことをしたのかという理由まで届きませんでした。

論理的に考えれば、真相に届いていたなぁ、という悔しい気持ちは持ちました。ですが私がクリスティに期待しているのは、そこじゃないんですよね。ドラマを期待すると少し残念に思うかもしれません。

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