概要とあらすじ
1946年のポアロ長編33作中22作目。
アンカテル夫妻に招かれたポアロは、庭にあるプールで、ジョンが倒れているのを発見する。そのそばには、銃を持って立ち尽くす妻のガータがいる。状況的には、ガータがジョンを撃ったと考えられるのだが…という話。
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登場人物について
登場人物が生き生きとしています。いかにもアガサ・クリスティーという作品だと思います。登場人物のルーシー・アンカテル、ヘンリエッタ・サヴァナク、ジョン・クリストウ、ガーダ・クリストウの四人の描写が特に素晴らしいと思いました。
人間だれしも一面だけを持っているわけではありません。優しいけれど意地悪、とぼけているようで冷徹といった、誰しも持っている二面性をしっかり描いているように感じます。
それに対してミッジとデイヴィットの二人のかげが薄く感じられました。その辺が少しもったいなかったなぁ、という印象です。
トリックについて
また、トリックというか、意外な犯人というのは、別のクリスティー作品でもっとうまくやっているのを見ているので、少し拍子抜けした感じはあります。
犯人が施した作為が、有効に働いていないのも残念なところかな。それも含めて、愚かな犯人ということでしょうけれど。
感想
とはいえ、ダイイングメッセージの意味や、犯人の愚かさ、残された人の悲しみなどが心にしみます。後になればなるほど、じわじわとくるいい作品だと思います。
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