概要とあらすじ
1958年のノンシリーズものです。
資産家レイチェル・アージルが殺されて、養子のジャッコが犯人として捕らえられた事件。ジャッコは獄中で亡くなってしまう。ところが、そのジャッコのアリバイを証明する人物が現れて…という話。
見どころ
冒頭から重苦しい感じで始まります。キャルガリが訪れるサニー・ポイントは、まるで幽霊屋敷のようです。ちょっとしたホラーですね。そこからアージル家の人物たちの、互いが互いを疑い始める様子は、面白かったです。
殺されたレイチェルのキャラもいいです。愛情深くていい人なんですが、その愛情が重すぎてどんどん歪んでいく感じが面白いです。
だた、それだけだとあまりに救われないなぁ、と思っていたのですが、ミッキーが墓参りに行くところで、少し救われました。
犯人
犯人に関しては、意外な人物でした。ですが少し演出に失敗していると思います。
男と女らしい二人の会話を、ティナが聞いたという話があります。これで二人の人物が共謀していることがわかります。そして、二つ目の事件が起こります。それで二人のうちの一人は分かってしまいました。
二つ目の事件はあまりにも杜撰です。むしろない方がよかったまであります。もう一人の犯人は確かに意外な人物でした。しかし、一人は分かっていますので、真相が判明したときの衝撃は、半減でした。
感想
年齢よりも老けて見られることに、キャルガリががっかりするシーンがあります。ユーモアを挟んだ場面なのでしょうが、これも必要なかったかな。なにかそれが事件に関係するならともかく、この「無実はさいなむ」は、重苦しい雰囲気で通した方がよかったと思います。
その点で、最後のシーンもどうなんだろう。なんかめでたしめでたし、みたいな感じですが、むしろ事件は解決したけれど、後味悪いなぁ的な方が、冒頭からの流れとしていいと思います。
あるいはハッピーエンドにするにしても、
ドナルドがかわいそうすぎるでしょう。むしろ彼はいいやつです。むしろキャルガリが、なんか独りよがりな感じがして、あまり好感が持てなかったです。
いや、途中まで本当に面白かったです。五分の四くらいまで、★5か、と考えていました。二つ目の事件で一つ落とし、結末でまた一つ落とした感じです。尻つぼみ感が半端ないです。
とはいえ、ジャッコの妻モーリンが、そういう形でからんでくるのかと、感心する場面はあります。やはり、演出に失敗している感じがするなぁ。
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