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アガサ・クリスティーのミス・マープル作品、読む順番・おすすめ作品

ポケットにライ麦を アガサ・クリスティー

ミス・マープル物は長編12作と「火曜クラブ」という短編集があります。(その他いろいろな短編集に散らばって数作品ありますが…)その読む順番やおすすめの作品を紹介します。

ミス・マープルもの長編作品の読む順番

まず読み方の順番ですが、発行順に読むのがいいと一般的に言われています。ですが、私はそこにやや疑問があります。というのは「スリーピング・マーダー」の存在です。

この作品は働けなくなった時に備えて夫に残した作品で、クリスティーの死後発表されました。執筆時期としては、マープルもの第三作「動く指」の後らしく、物語の時系列もその位置で考えるのがいいかもしれません。

また「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」についてです。この作品は続き物のような形になっています。それをどう考えるかです。発行順でいえば、その二作の間に「バートラム・ホテルにて」が入っています。

「バートラム・ホテルにて」を挟むことによって、「カリブ海の秘密」と「復讐の女神」の時間の経過を感じるか、それとも二作続けて読んで登場人物の印象を薄めないまま読むかは、好みによるでしょう。私は続けて読んだ方がいいのではないかと思いました。

それを踏まえて、ミス・マープルもの長編作品のおすすめ順を書いてみました。赤字の部分が発行順とは違うところです。

おすすめ順

  • 牧師館の殺人
  • 書斎の死体
  • 動く指
  • スリーピング・マーダー
  • 予告殺人
  • 魔術の殺人
  • ポケットにライ麦を
  • パディントン発4時50分
  • 鏡は横にひび割れて
  • カリブ海の秘密
  • 復讐の女神
  • バートラム・ホテルにて

ミス・マープル短編作品

ミス・マープルが登場する短編作品は、単独の短編集が「火曜クラブ(1932)」の1冊あります。これはマープルの友人バンドリー夫人と、彼女が住むゴシントンホールが出てきます。名作「鏡は横にひび割れて」の舞台にもなりますので、その前に読んでおきたい作品です。

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またミス・マープルが登場する短編作品は、4冊の短編集にアンソロジー的に集められています。これらは気が向いたときに、軽い気持ちで読むのがいいと思います。

ミス・マープルの思い出話

奇妙な冗談 / 昔ながらの殺人事件 / 申し分のないメイド / 管理人事件

教会で死んだ男(1951,1961)

教会で死んだ男

グリーンショウ氏の阿房宮

ちなみに太字が、個人的に面白かった作品です。

個人的おすすめマープル作品

とはいえ、全部の作品を読むのは大変だと思われる人もいるでしょう。その中で特に「おすすめはどれですか?」と言われる方のために、これだけは読んで欲しいと思う作品を紹介します。半分の6作品に絞りました。

こちらも上から順番に読んでいくのがおすすめです。

牧師館の殺人

まずは「牧師館の殺人」です。

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「牧師館の殺人」は、できとしてはぼちぼちですが、「セント・メアリ・ミード」というミス・マープルが住んでいる村や、そこの住人たちのことを知るために、ぜひ読んでもらいたいです。そうすれば、名作である「鏡は横にひび割れて」を読んだときに、必ずよかったと思うはずです。

書斎の死体

次は「書斎の死体」です。

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「書斎の死体」も、「鏡は横にひび割れて」の現場となるゴシントンホールや、マープルの親友であるバンドリー夫人のキャラクターをつかむために読んでもらいたいです。正直作品の出来としては、もう一歩という感じですが、書き出しのバンドリー夫人のコミカルな描写だけでも、読む価値はあります。

予告殺人

次は「予告殺人」です。

田舎ののんびりした様子が全編に流れます。途中は正直ダレてしまうところもありますが、その分終盤に怒涛の伏線回収があります。のんびりした雰囲気だった分、余計に犯人の悲しさみたいなものが伝わります。

謎解き小説としては、マープルものの中で「予告殺人」が一番よくできているのではないかと思います。

ポケットにライ麦を

次は「ポケットにライ麦を」です。

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この作品はマープルの格好良さが際立ちます。いつもは飄々としたおばあさんですが、今回は胸に「怒り」を抱えていますので、ふとした一言一言にもなにやら迫力を感じます。

そしてなんといってもエピローグです。これは感情をかき乱されること間違いなしです。推理小説としても、それなりに面白いのですが、それまでのことは何だったんだというくらい、エピローグで心を震わされます。

パディントン発4時50分

次は「パディントン発4時50分」です。

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この作品はなんといっても、スーパー家政婦のルーシー・アイレスバロウです。彼女の活躍をめでましょう。なかなか殺人が表に出てこない展開ですが、そんなことが気にならないくらい、全体的に登場人物がコミカルで、特に男性陣とルーシーとのやり取りが面白いです。

読んでいて、とても楽しい作品です。

鏡は横にひび割れて

最後は「鏡は横にひび割れて」です。

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登場人物のやり取りは愉快です。全体的にコミカルな雰囲気です。

マープルが老人扱いされて、それに対抗してあれこれしようとする姿が楽しいです。ですが、セント・メアリ・ミードの村が変わっていく様子も相まって、ちょっともの悲しい雰囲気もあります。それゆえ、マープルが活躍する場面は、驚きと格好良さがあります。

田舎特有ののんびりした雰囲気で話は進みますが、その分読み終わった後に、犯人や被害者といった登場人物たちにに思いを馳せて、いろいろ思うことができる作品です。

クリスティーのお気に入りマープル作品

クリスティは1972年に自作のお気に入り作品を語っています。マープル作品であげているものは「予告殺人」「火曜クラブ」「動く指」です。ただ、これは時期によって変わるとも言っています。

ちなみに江戸川乱歩は、1951年「宝石」にて大いに面白かったマープル作品として、「予告殺人」をあげています。ただこれは読んでいない作品も多くあったうえでの評価です。そして、余り面白くなかったマープルものとして、「動く指」をあげています。

クリスティのお気に入りの作品の中に、乱歩の面白かった作品と、あまり面白くなかった作品があるのが興味深いですね。

ミス・マープルものベスト

日本クリスティ・ファンクラブによる、ミス・マープル作品ベスト

1982年に実施された、日本クリスティ・ファンクラブ員の投票によるクリスティ・ベストテンには、ミス・マープル作品は「予告殺人」のみ選出されています。

約80名の会員が全作品について10点満点で絶対評価の点数をつけて集計し、「予告殺人」の点数は「8.42」で、全体として4位となっています。

ニューヨーク・タイムズによる、ミス・マープル作品ベスト

ニューヨーク・タイムズの The Essential Agatha Christie という記事があります。ミス・マープル作で選ばれているのは、「牧師館の殺人」と「予告殺人」の2作品です。

個人的ベスト

ミス・マープル作品を、個人的にあえてランキングをしますとこうなります。

ポケットにライ麦を

投資信託会社の社長レックス・フォテスキューは、毒を飲まされて死んでしまった。どうやら朝の食事に毒を入れられたようだが、誰がそんなことをしたのだろうか? そしてレックスのポケットには、なぜかライ麦の粒が入れられていて…

鏡は横にひび割れて

女優マリーナ・グレッグのパーティーで、親切なおしゃべりおばさんのヘザー・バドコックがカクテルに入れられた毒を飲んで死んだ。人畜無害そうなおばさんがなぜ殺されたのか? あるいは本当に狙われたのはマリーナ・グレッグの方なのか?

火曜クラブ

屋敷に集まった人々がそれぞれ自分が知っている事件や、不思議な体験談などを話し、他の人たちがその真相を推理するという連作短編形式の作品です。特に面白かったのは、「青いゼラニウム」「クリスマスの悲劇」「バンガロー事件」です。

予告殺人

地方紙「ギャゼット」の広告欄に「殺人お知らせ申し上げます…リトル・バドックスにて、お知り合いの方のお越しをお待ちします」というものが載せられた。リトル・パドックスの女主人レティシィア・ブラックロックは誰かのいたずらと思いながらも、興味本位でやってくるであろう村の人たちのためにその準備をする。ところがその席上で…

パディントン発4時50分

並走する電車の車窓に殺人の瞬間を見たという、マクギリカディ夫人の話をだれも真剣に取り合わない。それを聞いたミス・マープルが、調査に乗り出す…

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