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メアリ・ウェストマコット名義、おすすめ作品

愛の旋律 アガサ・クリスティー

「メアリ・ウェストマコット」は「アガサ・クリスティー」の別名義です。メアリ・ウェストマコット名義の作品にはどういう特徴があって、どの作品がオススメなのでしょうか。それを解説していきます。

メアリ・ウェストマコット作品

メアリ・ウェストマコット名義の作品は、次の6作品です。

愛の旋律(1930)
未完の肖像(1934)
春にして君を離れ(1944)
暗い抱擁(1947)
娘は娘(1952)
愛の重さ(1956)

全体として「愛」をテーマにした作品が並びます。殺人が起こってその犯人を捜すといった、いわゆるミステリーはここにはありません。全ての作品が、クリスティー自身の内面が見て取れるような、普通小説になっています。

クリスティーの自伝的小説

アガサ・クリスティーの作品をたくさん読んでいくと、アガサ・クリスティー自身のことにも興味が出てくるかもしれません。そんな人が手に取るのは「アガサ・クリスティー自伝」でしょう。ですがそれと同じか、あるいはそれ以上にクリスティーの内面が描かれているのが「未完の肖像」です。

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特に公式には語られなかった「アガサ・クリスティー失踪事件」について、その心の内をこの小説の中で語ってくれています。クリスティーは、「メアリ・ウェストマコット」というペンネームが自分であるということを秘密にしていました。だからこそ、このようにある意味赤裸々に描くことができたのでしょう。

1947年にアメリカのジャーナリストが、メアリ・ウェストマコットがアガサ・クリスティーの別名であることを暴露したのですが、それについてクリスティーはとんでもなく怒ったそうです。その怒りはこの「未完の肖像」によるところが大きいのではないでしょうか。

メアリ・ウェストマコット作品の一番人気

メアリ・ウェストマコット名義作品の中では、「春にして君を離れ」が一番人気でしょう。アガサ・クリスティー名義を含めたうえで、「春にして君を離れ」が一番好きだと言う人も見かけます。

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ほぼ全編ジョーン・スカダモアの内面描写です。彼女の気持ちに読者である自分の気持ちがシンクロしていくような感じがあります。そういう意味ではかなり怖い小説と言えます。

「ギフトとしてよく贈られている商品」としてアマゾンで紹介されていましたが、「それってどうなの?」と思います。すごい小説で人に勧めたくなる気持ちは分からなくありませんが、受け取り方によっては、かなりの皮肉にとられませんかね。

メアリ・ウェストマコット名義、個人的おすすめ作品

個人的に面白かったメアリ・ウェストマコット作品は「暗い抱擁」です。

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展開が結構スリリングで、驚かされるシーンも多くあります。ページをめくる手が止まりませんでした。それだけでなく、読み終わった時の余韻もすごいです。「人間の本質」がテーマだと思いますが、様々な解釈が考えられるので、読み終わった後、しばらくモヤモヤが止まりませんでした。

娘のロザリンドによると、アガサ・クリスティー自身のお気に入りの作品でもあったようです。

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