概要
1923年のポアロ長編33作中2作目。
当時あった訴訟事件をもとに書かれた作品のようです。またこの作品が書かれたとき、夫のアーチボルド・クリスティーがゴルフにはまっていたそうです。結果そのゴルフが離婚の遠因になったようで、その意味でも興味深いですね。
個人的評価
あらすじ
富豪ルノールから助けを求める手紙を受け取ったポアロ。急いで駆けつけるポアロだったが、彼が見たのは、ゴルフ場で刺殺されたルノールの死体だった…
見どころ
有名な作品ではないので、それほど期待せずに読み始めましたが、なかなかの良作です。ライバル探偵としてジロー刑事が出てきます。まぁ、完全に噛ませ犬ですが、ポアロとジローのやり取りが面白い。
ポアロとヘイスティングズのやり取りも、なかなかです。ヘイスティングズがポアロではなく、ジロー刑事の方に流れそうになる場面もいいですね。
いつものようにわけのわからないことに注目しているポアロですが、それが後になって大事なことだとわかります。理解が追い付かないヘイスティングズを、導こうとするポアロの優しさもいいです。
登場人物
- ポール・T・ルノール(南米の富豪)
- エロイーズ・ルノール(ポールの妻)
- ジャック・ルノール(ポールの息子)
- ガブリエル・ストーナー(ポールの秘書)
- ドーブルーユ夫人(マルグリット荘の女主人)
- マルト・ドーブルーユ(ドーブルーユ夫人の娘)
- シンデレラ(アクロバットの芸人)
- ジロー(パリ警察の刑事)
「スタイルズ荘の怪事件」と同様に、ポアロとヘイスティングズが目立っています。あとはポアロのライバル探偵、ジロー刑事の存在は楽しいですね。
ただその他の人物たちは案外薄味で、のちの作品で見られるような、被害者周りや犯人周りの人間ドラマはあまり感じられなかったです。唯一シンデレラはキャラが立っていましたが、それでもポアロとヘイスティングズ以上の存在感はなかったですね。
感想
展開はまさに「The 推理小説」という感じ。あれやこれやを嗅ぎまわって、あーでもない、こーでもないと捜査します。ジロー刑事とポアロとの対比があって、割と退屈せずに読み進めることができました。
結果がわかって、後はその後始末かな、と思わせておいて、もうひとひねりしてきますので、結構驚かされました。真犯人がわかったときは、ぞっとしました。
「ポアロ VS ヘイスティングズ」みたいな場面もあり、そういった面でも意外性があってよかったです。古き良き、犯人当てクイズ的な小説ですかね。期待せずに読んだのですが、「思ったより面白いぞ。結構掘り出し物だったなぁ」という感じでした。
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